頭部外傷について

頭部外傷は、軽度の打撲から重篤な脳損傷まで、その程度は様々ですが、脳へのダメージによる自覚症状は受傷直後に現れないこともあります。外見上が軽傷だからと油断してはいけません。
外傷による脳の損傷は、時に重篤な症状を引き起こす可能性があるため、適切な診断と対応が重要です。強く頭を打った際には、念のための受診をおすすめします。特に受傷後に激しい頭痛やめまい、吐き気、意識障害などがあった場合は、より強いエネルギーが脳に加わっていますので、早期の受診、MRI検査ををおすすめします。
こんな時は直ちにご相談ください
- 頭部外傷によって意識を失った、または意識が朦朧とする
- 激しい頭痛が続く
- 吐き気や嘔吐がある
- めまいや平衡感覚の喪失がある
- 記憶の混乱がある
- 瞳孔の大きさが左右で異なる
- 耳や鼻から透明な液体が出る
- けいれんがある
- 言語障害や視覚の変化がある
頭部外傷における病気の種類
頭部外傷による、脳のダメージを有無やその程度を調べるためには、MRIによる精密な画像検査が必要となります。
次のような種類、病態があります。
頭蓋骨骨折
頭部への強い衝撃により頭蓋骨に亀裂や陥没が生じる状態です。線状骨折(ヒビが入った状態)、陥没骨折(へこんだ状態)、頭蓋底骨折(頭蓋骨の底辺の骨折)など、骨折した部位や状態によって名称が変わります。骨折するほど強い力が加わったので、脳への影響も考えられ、脳MRI検査が必要です。
頭蓋内病変
脳挫傷/外傷性脳出血
頭部への衝撃で脳が頭蓋骨内で揺れて頭蓋骨内面に打ちけられることにより、脳組織が損傷を受けた状態です。。脳の表面だけのことから、脳内部や深部を剪断するような重いものまで様々です。出血を伴うと同時に脳細胞そのものが壊れることで、様々な神経症状を引き起こします。頭痛や嘔気が継続する場合は脳挫傷によって脳が腫れていることがありMRI検査が必要です。重い場合は意識障害、けいれん発作を生じます。
慢性硬膜下血腫
軽度の頭部外傷後、数週間から数か月かけて脳を被う硬膜と脳の間に血性の液が徐々に溜まる状態です。受傷直後は無症状であったり、きっかけとなる外傷がはっきりしないことも多く、ゆっくりと貯留して脳を圧迫していくので、症状がわかりにくい場合も少なくありません。何か頭が重い、ふらつく、歩行が傾く、元気がない、物忘れの傾向などといった、場合には、この慢性硬膜下血種を疑ってMRI検査を受けることをお勧めします。血腫を排出する小手術でなおる病気です。血腫による脳の圧迫がさらに増大すると、意識障害や半身麻痺、言語障害など重篤な症状が急激に進行します。
急性硬膜下血腫
頭部外傷直後に硬膜下に急速に血液が溜まる状態です。脳の圧迫により、激しい頭痛、意識障害、半身麻痺、言語障害などの症状が急速に進行しますので殆どが救急で病院に搬送されます。しかし。受傷後、数時間ほど経ってから、生じる場合(亜急性硬膜下血種)があることも知られています。
急性硬膜外血腫
多くは頭蓋骨骨折に伴う頭蓋内の硬膜動脈が損傷され、硬膜の外側に血腫が生じます。激しい頭痛や嘔吐、麻痺、意識障害が急速に進行し、救急で病院に搬送され、緊急手術となりますが、症状が軽い場合はMRI検査を行って初めて診断がつく場合があります。症状が軽度の場合は経過観察を行います。
外傷性クモ膜下出血
脳表面の脳挫傷の多くはクモ膜下腔にも出血が広がることが少なくありません。脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血とは区別されますが、クモ膜下出血の広がりが重篤の場合には、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血を生じて意識障害となり倒れて、頭部打撲となったケースもあり、専門医による診断と適切な治療が重要となります。