こんな症状はありませんか?
- 腰の痛み、臀部、大腿後面の痛み(咳やくしゃみをすると痛みが増す)
- 足の痺れや痛み(立位、歩行で増強)
- 脚の筋力低下
- 歩行障害(歩くと足が痛む、座っていると痛みが和らぐ)
- 尿・便が出にくい(重症の場合)
など
腰椎椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアは、脊椎(背骨)の間でクッションの役割を果たす椎間板が、何らかの原因で変性し、中身(髄核)が飛び出して神経を圧迫する疾患です。腰椎に発症しやすく、圧迫された神経の場所によって特徴的な症状が現れます。
腰椎椎間板ヘルニアでは、腰痛や下肢の痺れ、歩行困難などの症状が現れます。圧迫を受けている神経によって痛み、しびれの部位、足の力の入りにい部位に違いがありますので、神経専門医はどの部位の神経に異常があるかを。先ずは診察、診断します。
腰椎椎間板ヘルニアの原因
腰椎椎間板ヘルニアの主な原因は椎間板の加齢に伴う変性で中高年層に好発する傾向にあります。ただし、職業や生活習慣、スポーツや外傷によっては若年層でも発症する可能性があるため、年齢を問わずリスクのある疾患と言えます。
- 加齢による椎間板の変性
- 不適切な姿勢の継続
- 過度の運動や重労働による負荷蓄積
- 外傷(事故や転倒など)
- 遺伝的要因
など
腰椎椎間板ヘルニアの検査
椎間板ヘルニアの診断には、詳細な問診と神経学的診察に加えて、MRI検査が重要な役割を果たします。以下の検査を適宜組み合わせ、総合的に診断します。
MRI検査

MRI検査では以下の点を評価します。MRI検査だけが、椎間板の状態や神経への圧迫の程度を詳細に評価できるうえ、周囲の軟部組織の状態も明瞭に描出できるため、脊髄腫瘍などの他の原因疾患との鑑別にも役立ちます。椎間板ヘルニアの診断に不可欠な検査と言えるでしょう。
- 椎間板の突出や脱出ヘルニアの程度
- 神経根や脊髄の圧迫状態
- 椎間板の変性(水分含有量や内部構造の変化)
- 脊柱管や神経孔の狭窄の有無
- 周囲の軟部組織の状態(靭帯の肥厚など)や腫瘍の有無
など
X線(レントゲン)検査
椎間板腔の高さの減少で椎間板ヘルニアの可能性は示唆できますが、ヘルニアの有無、程度はわかりません。
腰椎椎間板ヘルニアの治療
椎間板ヘルニアの治療も先ずは薬剤治療と腰部の安静で、9割の患者さまは手術することなく、症状は改善します。ただし、運動麻痺や膀胱直腸障害を急に生じた場合は早急な手術によるヘルニア除去を必要とします。また薬剤でも効果のない激痛に対しては、ペインクリニックでのブロック(硬膜外/根ブロック)が有効です。
しかしながら、症状の改善が見られない場合や重症例では小切開での低侵襲な神経外科的手術で、速やかな症状の消失、改善が得られます。
上述した症状や、これまでの治療で改善なくお悩みの方は、是非大阪市北区の梅田 脳・脊髄・神経クリニックへご相談ください。MRI検査による詳細な診断と、症状に応じた適切な治療方針の提案を行い、患者様の生活の質の向上に貢献いたします。
薬剤による治療
腰痛、下肢の痺れや痛み、などの座骨神経症状に対して、先ずは薬物療法と腰部の安静(ベルト装着など)指導を行います。一方、運動障害が主の場合や1ヶ月以上薬剤治療を行なっても日常生活に影響がある場合には手術も検討します。
ペインクリニック(ブロック治療)
多くの場合、時間とともに症状が軽減するため、まず薬剤治療を行いますが、薬剤で疼痛コントロールが困難な例に対してはペインクリニックでの神経ブロック注射(硬膜外ブロック/根ブロック)を行います。
手術療法
保存療法で改善がなく、日常生活や仕事に支障を生じるほどの痛み、痺れなどの疼痛が継続する場合は手術を検討します。また運動麻痺や膀胱直腸障害を認める場合は早期手術の適応です。
手術ご希望の際には、当クリニック関連の病院に入院して頂き、豊富な手術経験をもつ田辺理事長の執刀にて手術を行っています(保険適応)。
顕微鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術
全身麻酔下でヘルニア部位の腰部正中皮膚を2㎝切開し、腰背部筋に1円玉大の円筒形操作管(内視鏡手術用)をヘルニアにある椎弓間に挿入します。そこから顕微鏡を用いて拡大した術野で、脳手術と同じように椎弓間をドリルで広げたのち、黄色靭帯を切開、圧迫されている神経根を避けながら、突出したヘルニアを摘出します。
手術時間は1時間弱で、手術当日に座位、食事、翌日より歩行、3日後に退院可能の低侵襲の顕微鏡下神経外科手術です。